ジャパンカップに外国馬が来ない問題への提言 1

ジャパンカップ

こんにちは、こんばんは。ゆきやなぎと申します。

今回のお題は、毎年のように課題視されている「ジャパンカップに外国馬が来ない」問題について、この問題の解決のためにどうするべきなのか、私なりの意見を記載したいと考えています。

私にとっては、かなり分不相応なテーマではありますが、私なりにかなりいろいろ考えて出した提言になっておりますので、このテーマに興味のある方はぜひ覗いていただいて、生暖かい目で見ていただけますと幸いです。

よくある意見への反論 ~複数のG1を同日に開催すべきなのか?~

複数G1同日開催はジャパンカップのためにならない

はじめに、本課題についてよく提唱されている解決策の、「ジャパンカップと同日に複数G1を開催して外国馬を呼び込むべき」という意見について、私なりに反論させていただければと考えています。

なぜこの意見が解決策として微妙であるか。それはほかでもなく「ジャパンカップを良くすることにならないから」です。どういうことか、以下で考えを詳しく記載します。

なぜジャパンカップのためにならないか?

例えばジャパンカップ当日に、府中競馬場で以下のようなG1を同時に開催することを考えてみます。
・芝2400m (ジャパンカップ)
・芝1600m
・ダート2100m
・ダート1600m

私としても、複数G1を同時に行うことで、その日全体としての外国馬参戦は多くなると思っています。
理由としては以下のようなものが挙げられます。
・一度に複数のG1レースを設定することで、外国の陣営にとって複数の馬を輸送・同時に調教することができるようになるため、参加のハードルが下がること。
・競馬の祭典として世界的に注目度が高まり、参加を検討する陣営が増えること。

しかしそこで、わざわざ「芝2400m」のジャパンカップに実力馬を参戦させる陣営はどれくらいいるのでしょうか?
府中芝2400mは、日本ダービーが行われ、まさに日本競馬(中央競馬)の中心といえる条件です。よって日本馬の層が最も厚い条件であることは忘れてはならないと思います。

ここで参考になるのは、すでにG1を同日開催している香港国際競走や、ブリーダーズカップだと思われます。
確かにこれらの競走は、全体としては外国からの参戦が多く、ジャパンカップよりも国際色豊かに見えます。
しかし、香港ではスプリント、ブリーダーズカップではクラシックといった、その国の最もメインとされる条件のレースについては、外国馬の参戦は少ないのが実情です。それらのレースで外国馬が良い成績を上げることは、さらに稀といっても過言ではない状態です。
実際的に外国馬が活躍しているのは、香港ではヴァーズ、ブリーダーズカップではターフといった、外国馬に有利な(=国内馬の層が薄い)条件のレースに偏っているというわけです。

同じように考えると、やはり複数のG1を一度に開催したところで、日本馬の層が最も厚い条件であるジャパンカップに外国馬の参戦が増えるわけではないということが言えるのではないでしょうか。

ジャパンカップ以外への参戦が増えればいいのか?

”以外のレース”のために同日開催をするのには反対

それでも「同日開催したジャパンカップ以外のレースに外国馬の参戦が増えればいいのではないか?」という意見もあるかと思われます。

しかし個人的には、ジャパンカップ以外のレースに外国馬を参戦させるためだけに複数G1同日開催を行うのには反対の意見です。理由は大きく3つあります。

理由1 メリットが小さい:”裏路線”で外国と戦っても面白くない…

第1の理由は、いわゆる王道路線ではないところで外国馬と戦ってもあまり面白くないのではないか…、と個人的に感じてしまい、結果的に外国馬を参戦させるために施策を講じるメリットが小さいと感じてしまうことです。

確かにこれについては個人的感想の域を出ないのですが、とはいえ現状として、ジャパンカップ以外のG1に海外馬を参戦させるべきという風潮があまりないことを考えると、皆様だいたい同じ考えなのかなと想像したりもしているのですが、どうでしょうか。

やはり、日本馬が手薄なところで、海外馬が「草刈り場」のようにやってきて賞金を持って帰っていくというのはあまり面白くなく、かといってリベンジに燃える気持ちにもならず、本当に微妙な感じになってしまうと思うんですよね。。

理由2 副作用が大きい①:レース体系の混乱・有力馬の分散リスク

個人的に、同日開催に最も反対する理由が本件になります。

まず、既存のG1を移動させるにしても、G1レースを新設するにしても、これまでのレーススケジュールを大幅に変更する必要性が出てきます。それによる混乱は非常に懸念すべき事項かと思います。

また、1つの日にG1レースを集約すると、その前後に必ずスカスカの日程が生じてしまいます。ここを埋めるためにG2,G3あたりを新設してしまい、重賞の価値が落ちてしまうという残念な結果にもなってしまいかねないと考えています。

さらに、心配しているのが国内の有力馬の分散です。
同日に複数G1を開催し、国際化を目指すとなれば、結果的にその日のG1は、いわゆる王道路線でないものも高額賞金になる可能性が高いです。
実際に、香港国際競走では、香港では全く主流ではない条件のヴァーズの賞金が、他の香港G1よりも高くなっています。ブリーダーズカップでも、ターフやマイルなど、芝レースの賞金がダート主要路線のG1の賞金よりも高く設定されてしまっています。

仮に日本でも同じ状況となった場合、これまでクラシックディスタンスに出ていた有力馬も分散してしまい、盛り上がりに欠けてしまう可能性があると考えています。
たとえば、2023年のジャパンカップの上位5頭についても、もしジャパンカップと同日に芝1600mの高額G1が設けられていた場合、以下のように分散してしまっていた可能性があると考えています。

<ジャパンカップ 芝2400m>
・イクイノックス
・タイトルホルダー
<高額G1 芝1600m>
・リバティアイランド
・スターズオンアース
・ドウデュース

少なくとも私は、今年のジャパンカップのように、有力馬が一堂に会して勝負を競うレースのほうがいいなと思ってしまいます。このような分散リスクを背負ってまで、同日開催にこだわるのはいかがなものかというのが本音です。皆様いかがでしょうか?

理由3 副作用が大きい②:馬券売り上げ的な問題

最後に、同日開催をすると、1つ当たりのG1の売り上げが落ちてしまう副作用もあります。

実際、かつてジャパンカップダートがジャパンカップと同じ週(前日)に行われていた時代は、売り上げが低かったということです。

以上のような副作用を加味しても、「ジャパンカップ以外のレースのために同日開催をする」べきなのか?…私の意見は「No」です。
皆様の意見もぜひコメント等でお聞かせいただければ幸いです。

同日開催に頼らず、ジャパンカップ自体を改革するしかない

ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。

ここまでの理由から、私は、複数G1同日開催はジャパンカップの改善につながらず、かつ実施するべき施策でもないと考えています。
結局、ジャパンカップに外国馬を呼ぶためには、ジャパンカップそのものを改革するしかないということです。

では、具体的に何を考慮し、どのように改革していけばよいのでしょうか?

記事も長くなってしまいましたので、具体的な改革案については次の記事に書ければと考えています。

次回:ゆきやなぎの改革案

次も相変わらず分不相応な内容にはなりますが、改革案はかなりの自信作になっていますので、ぜひとも、引き続きお付き合いいただけますと幸いです。

次回の記事はこちらをクリック

それでは!

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